顔がよく赤くなります。赤みはなぜ起こり、どう治療するのでしょうか?

二つの皮膚断面を並べ、表面の下にある血管が比較的細い状態と、より広がった状態を示した概念図

執筆:대빵(Daebbang)

「少し暑くなっただけで顔が赤くなります。肌が敏感だからでしょうか? 保湿を増やしたほうがいいのか、それともレーザー治療を受けたほうがいいのでしょうか?」

顔が赤くなる理由は一つではありません。血管が一時的に反応している場合もあれば、皮膚に炎症が起きているサインの場合もあります。「顔が赤い」という症状だけでは、治療を決めにくいのはそのためです[1]。

私はまず、一時的に赤くなって元に戻るのか、普段から赤いのか、かゆみ・皮むけ・ぶつぶつもあるのかを確認することをおすすめします。この三つを分けて考えると、スキンケアで対応できる部分と、診察で確認したい部分が少し見えやすくなります。

顔はなぜすぐに赤くなり、また元に戻るのでしょうか?

皮膚の中の細い血管は、いつも同じ太さに固定されているわけではありません。幅を調節できる小さな水路と考えるとわかりやすいでしょう。血管が広がり、皮膚を流れる血液が増えると、顔がより赤く見えることがあります。暑い場所にいるときや、緊張したときに顔がほてるのは、身近な例です[2, 3]。

二つの皮膚断面を並べ、表面の下にある血管が比較的細い状態と、より広がった状態を示した概念図
図。血管が広がる仕組みを単純化した説明用の図です。右側は、皮膚の中の血管がより広がった状態を表しています。実際の患者さんの写真や治療前後の比較ではなく、血管の太さや色の違いは測定値ではありません。

ただし、血管が広がったという説明だけでは、なぜ繰り返し赤くなるのかまではわかりません。暑さがおさまると赤みが引く顔と、刺激がなくても頬や鼻の周りに赤みが残る顔では、確認したい点が異なります。酒皶という皮膚の病気では、この二つが一緒にみられることもあります[4]。

赤くなった瞬間だけでなく、普段の状態も見てみましょう。肌の色によっては赤みが目立ちにくいため、ほてりやヒリヒリ感などの不快感も大切な手がかりです[4]。

繰り返し赤くなるのは、すべて「酒皶」なのでしょうか?

そうとは限りません。ここでいう酒皶(しゅさ、rosacea)は、皮膚の病気です。韓国語では注射と同じ「주사」と表記しますが、針で薬を入れる注射のことではありません。顔の中心部に赤みが繰り返し出たり残ったりし、細い血管や、ニキビに似た炎症性のぶつぶつがみられることがあります。目に症状が出る場合もあります[4]。

酒皶を理解するときは、血管と炎症を一緒に考えるとよいでしょう。皮膚の免疫反応と、神経や血管の調節が互いに関わっていることが研究されています。もともと皮膚にすんでいる毛包虫も一部の炎症反応に関わる可能性がありますが、顔の赤みをすべて毛包虫だけの問題で説明することはできません[5]。

ここで病気の原因と、症状が出るきっかけを分けて考えると、必要以上の心配を減らせます。日光・暑さ・お酒・熱い飲み物・辛い食べ物は、人によって症状が表れやすくなるきっかけです。ある食べ物を口にしたあとで赤くなったからといって、その食べ物だけで酒皶の原因をすべて説明できるわけではありません。酒皶は不衛生だからなる病気でも、ほかの人にうつる病気でもありません[6]。

普段から頬や鼻の周りに赤みが残り、ほてりやぶつぶつを繰り返すなら、製品を次々と替えるより、酒皶なのかを確認することをおすすめします。一つの症状だけで、自分で診断をつける必要はありません。

かゆみや皮むけもある場合は、何を確認すればよいのでしょうか?

この場合は、肌に触れたものと皮膚炎をあわせて確認したいところです。化粧品・洗浄料・染毛剤による刺激やアレルギー反応で起こる接触皮膚炎も、顔の赤みやかゆみの原因になります。新しい製品を使い始めた時期は手がかりになりますが、長く使っていた製品だからといって、原因の候補から必ず外れるわけではありません[1]。

赤い部分に脂っぽく見える、あるいは乾いた皮むけが出る脂漏性皮膚炎や、かゆく乾燥した発疹が出るアトピー性皮膚炎などの湿疹もあります。この場合は、赤みを減らすだけでなく、皮膚炎そのものに対応する必要があります。 酒皶と皮膚炎が重なることもあるので、皮むけがあるという理由だけで、どちらか一方だとは決めつけません[1]。

皮膚以外の変化も手がかりになります。飲み薬を替えたあとで赤くなった場合や、更年期のほてりと一緒に起こる場合は、その時期を伝えてください。薬が疑わしくても自己判断で中止せず、薬の名前と使い始めた時期を整理して、診察時に確認するとよいでしょう[3]。

治療は塗り薬からでしょうか、それともレーザーからでしょうか?

まず、いちばん困っている症状と、その原因を確認することが先です。 同じ酒皶でも、炎症性のぶつぶつと、続く赤みでは治療の目標が異なります。一つの治療ですべての症状が同じようによくなることを期待するより、何を減らすための治療なのかを確認すると役立ちます[5]。

ぶつぶつが気になるなら、炎症を抑える治療を考えます

酒皶の炎症性のぶつぶつには、イベルメクチン・メトロニダゾール・アゼライン酸などの塗り薬が使われ、状態によっては飲み薬を併用することもあります。抗菌薬を使うからといって、酒皶が人にうつる細菌感染症だという意味ではありません。炎症を抑える作用を治療に利用することもあります[7, 8]。

実際の研究でも、治療の対象を区別しています。中等度以上の炎症性のぶつぶつがある酒皶の患者さんを対象にした二つの無作為化比較試験では、イベルメクチンクリームを12週間使った群は、有効成分を含まない比較用クリームを使った群より、炎症性の皮疹が減りました。 この結果を、ぶつぶつがなく赤みだけがあるすべての顔に、そのまま当てはめることはできません[9]。

ぶつぶつはよくなったのに赤みが残っているなら、薬がまったく効かなかったと判断するより、残った赤みにどのような治療が必要かをあらためて確認するとよいでしょう。薬の選択は、肌の状態に加え、韓国での承認状況や利用可能性を診察時に確認する必要があります。

赤みや目に見える血管が気になるなら、血管を対象にします

酒皶で続く赤みを一時的に減らす、血管を収縮させる作用の塗り薬があります。目に見える血管や赤みに対しては、血管を対象にしたレーザー・光治療を検討できます。炎症性のぶつぶつを減らす薬とは、役割が異なるわけです[7]。

血管を対象にしたレーザーの一つが、パルス色素レーザー(PDL)です。IPLは複数の波長帯の強い光を使う機器で、レーザーとは区別されます。2024年には、赤みや目に見える血管が主な症状の酒皶患者60人を、PDL、または設定の異なるIPLの治療群に分けた研究がありました。各群で治療前より赤みに関する指標が改善しましたが、最後の治療後の観察期間は4週間でした。機器間の差が統計学的にはっきりしなかったという結果は、すべての機器の効果が同じ、あるいは永久に続くという意味ではありません[10]。

施術後には、腫れ・あざ・痛み・水ぶくれなどが起こることがあります。機器の名前を選ぶ前に、今治療したい症状、期待できる変化、回復の過程を一緒に確認してください[10]。

皮膚炎が主な問題なら、皮膚炎の治療が出発点です

接触皮膚炎では、原因となる物質を見つけ、避けることが大切です。脂漏性皮膚炎や湿疹にも、それぞれの病気に合った治療が必要です。かゆみや皮むけがあるのに赤みだけを消そうとすると、不快感の原因が残ることがあります[1]。

このとき、余っているステロイド軟膏を、顔の赤みの治療薬として自己判断で使わないでください。 皮膚炎には医師が必要に応じて処方することもありますが、酒皶では悪化の要因になることがあります。すでに処方されて使っている場合は、使用期間を自分で延ばしたり使い方を変えたりせず、処方の目的と使い方を確認してください[11]。

自宅では、何から変えるとよいのでしょうか?

私はまず、スキンケアをシンプルにし、繰り返し起こる状況を記録することをおすすめします。複数の製品や生活習慣を一度に変えると、何が不快感と関係しているのか、わかりにくくなるからです。

洗顔では、こすったりスクラブで角質を落としたりせず、刺激の少ない洗浄料と保湿剤を使いましょう。塗るほどヒリヒリするなら、新しい製品を重ねるより、まず使用中の製品を見直します。日陰や帽子で日光を避け、肌に合う日焼け止めも併用してください。米国皮膚科学会は、酒皶の肌にUVAとUVBの両方を防ぐ、広範囲の紫外線防御機能を持つSPF30以上の製品を勧めています[12]。

食べ物や活動も、すべて一律に制限する必要はありません。赤くなった時期と、そのときの暑さ・食べ物・お酒・運動・製品の使用を、簡単に書き留めてみましょう。症状が出るきっかけは人それぞれなので、自分に繰り返しみられる関係を見つけることが目的です。保湿や生活上のケアは治療を助けますが、必要な処方治療の代わりにはなりません[8]。

どのようなときは、早めの受診が必要でしょうか?

普段から赤みが残っている場合や、繰り返す赤みで生活に支障が出る場合は、原因を確認しましょう。診察では、いつ始まったか、飲み薬や肌に塗る製品、かゆみ・皮むけ・ぶつぶつ・目の不快感も一緒に伝えるとよいでしょう[3, 7]。

目が充血する、砂が入ったように感じる、とくに痛み・まぶしさ・かすみがある場合は、速やかな受診が必要です。 皮膚とは別の問題に見えても、酒皶と関係していることがあります。スキンケアだけを続けて様子を見るのではなく、眼科などの医療機関で評価を受けてください[6]。

最初の質問に戻りましょう。一時的に赤くなって元に戻るなら、繰り返すきっかけを確認します。赤みが続く、あるいはぶつぶつ・かゆみ・皮むけもあるなら、原因を確認してください。そのうえで、炎症、血管、皮膚炎のうち、何を治療するのかを決めていきます。顔の赤みの治療は、今なぜ赤くなっているのかを見分けることから始まります。

Take-home messages

  1. 顔の赤みには、さまざまな原因があります。一時的なのか、続いているのか、ほかに何が起きているのかを、まず確認しましょう。
  2. 皮膚の病気である酒皶には、血管の反応と炎症がともに関わることがあります。食べ物や暑さなどのきっかけを、病気の唯一の原因と決めつけないでください。
  3. 炎症性のぶつぶつ、続く赤みや目に見える血管、かゆみや皮むけでは、治療の方向性が異なることがあります。薬や機器を選ぶ前に、治療の対象を確認しましょう。
  4. やさしい洗顔・保湿・日光を避ける対策と、症状が出る状況の記録から始めましょう。赤みが続いたり生活に支障が出たりするなら、受診につなげてください。
  5. 目の充血や異物感も伝えましょう。とくに痛み・まぶしさ・かすみは、速やかな評価が必要なサインです。

参考文献

[1] American Academy of Dermatology. 10 reasons your face is red.

[2] Oakley A, DermNet. Flushing. 1997.

[3] NHS. Blushing. 2025年見直し.

[4] Schaller Mら. Recommendations for rosacea diagnosis, classification and management: update from the global ROSacea COnsensus 2019 panel. British Journal of Dermatology. 2020;182(5):1269–1276. DOI: 10.1111/bjd.18420.

[5] van Zuuren EJ, Arents BWM, van der Linden MMD, Vermeulen S, Fedorowicz Z, Tan J. Rosacea: New Concepts in Classification and Treatment. American Journal of Clinical Dermatology. 2021;22:457–465. DOI: 10.1007/s40257-021-00595-7.

[6] NHS. Rosacea. 2023年見直し.

[7] American Academy of Dermatology. Rosacea: Diagnosis and treatment.

[8] NIAMS, NIH. Rosacea: Diagnosis, Treatment, and Steps to Take.

[9] Stein Lら. Efficacy and safety of ivermectin 1% cream in treatment of papulopustular rosacea: results of two randomized, double-blind, vehicle-controlled pivotal studies. Journal of Drugs in Dermatology. 2014;13(3):316–323. PMID: 24595578.

[10] Ruan J, Zheng Y, Cai S. Efficacy and safety comparison between pulsed dye laser and intense pulsed light configured with different wavelength bands in treating erythematotelangiectatic rosacea. Lasers in Medical Science. 2024;39:146. DOI: 10.1007/s10103-024-04098-9.

[11] British Association of Dermatologists. Rosacea.

[12] American Academy of Dermatology. 7 rosacea skin care tips dermatologists recommend. 2024年更新.


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